吉見百穴からやきとりまで。都心からすぐそこ!歴史とグルメを楽しむ吉見・東松山エリア

古墳時代から江戸時代まで、時をまたいで歴史が薫る街

東京から約50km、埼玉県の中央部に位置する東松山・吉見一帯は、歴史と文化にあふれたエリアです。吉見町には数多くの古墳が点在していますし、室町時代から戦国時代、安土桃山時代にかけては武蔵松山城が関東の要衝として重要な役割を果たしました。さらに江戸時代に入り武蔵松山城が廃城になった後は宿場町として栄え、街道を往来する人々で賑わいました。

その他、箭弓稲荷神社など大小さまざまな寺社も点在しており、非常に見どころの多いエリアです。そんな歴史と文化にあふれた東松山市と吉見町の魅力をご紹介します。

古墳時代後期の横穴墓「吉見百穴」

吉見百穴は、今から約1400年前の古墳時代後期(6~7世紀)に作られた横穴墓群です。国指定史跡に認定されたのが大正12年ということからも、古くからその歴史的価値が評価されていたことがわかります。

現在確認されている横穴の数は219基。横穴墓群としては国内最大規模で、どれも岩山の表面から数メートル奥へ掘り抜かれています。台座がいくつも作られている横穴もあり、そのことから家族単位で葬られたものと考えられています。また、墳墓としてではなく第二次世界大戦時に軍需工場として掘られた穴も存在します。実際に工場として機能する前に終戦を迎えましたが、ひとつの戦争遺構として歴史を今に伝えています。

一方、岩山の下には国の天然記念物である「ヒカリゴケ」が自生している穴があり、関東地方には珍しい貴重な自生地として充分な保護がなされています。

東松山のご当地グルメ「やきとり」を味わう

歴史を感じることができる名所をたっぷりと味わったら、疲れた体をご当地グルメの「やきとり」で癒してみてはいかがでしょうか。

東松山市は「日本7大やきとりタウン」の一つとして知られ、この地の「やきとり」は、実は鶏ではなく豚を焼いたものです。豚の頬肉を炭火で焼き上げ辛い味噌だれをつけて食べる独自のスタイルで、これを東松山では「やきとり」と呼んでいます。

昭和30年代、まだまだ食肉が庶民にとっては高級品だった時代に、安価で新鮮なカシラ肉を屋台で焼いて振る舞ったのがそのルーツだそうです。

辛い味噌だれをつけるようになったのも昭和30年代からとのこと。甘だれの上から辛い味噌をホルモンにつけて食べていたようです。当時の味噌だれはポタポタとたれ落ちるようなものでしたが、「お客様の服が味噌だれで汚れてはいけない」という考えのもと、試行錯誤を重ねて現在の粘り気のある味噌だれが完成しました。白味噌をベースに10種類以上のスパイスをブレンドする各店こだわりの味で、店ごとの違いを味わうのも楽しみの一つです。

現在、やきとりを提供する店は約50軒といわれていますが、その中でも特に評判のお店をご紹介します。

大松屋(食べログ)

辛味噌だれ発祥の店です。特徴はなんといっても肉の大きさ。一串一串が大きく、食べ応え充分ですので、ボリュームを求める人には最高のお店です。
URL https://tabelog.com/saitama/A1105/A110502/11020415/

桂馬(食べログ)

定番のカシラが絶品のお店です。柔らかく、かつとてもジューシーで、リピートでカシラを注文するお客さんも多く見受けられます。
URL https://tabelog.com/saitama/A1105/A110502/11003287/

やきとりひびき(食べログ)

東松山駅前に本店を構え、県内に多数の支店も出している「やきとりひびき」。鶏肉の串も提供するなど正当派の「東松山やきとり」からは一線を画しつつ、肉質の高さで多くのファンを獲得しているお店です。
URL https://tabelog.com/saitama/A1105/A110502/11005020/

この他にもたくさんのやきとりのお店があります。食べ比べをして歩くのも、東松山の楽しみ方の一つでしょう。

池袋から約1時間の「小さな旅」へ

ここまで、東松山・吉見エリアの特色を説明してきました。都心から約50km、電車なら池袋から東武東上線で1時間かからない場所にも関わらず、ここには非常に豊かな歴史や食文化が根付いています。

吉見はいちごの産地としても知られており、いちご狩りが体験できる農園も多いので、いちごが実る冬から春にかけての時期に訪ねるのもおすすめ。ぜひ一度足を運んで、その歴史と文化、ご当地の味の魅力を堪能してみてください。

※2019年9月現在の情報です