水辺の憩いを求めて。かわいいカッパ像とも出会える志木エリアへ

清らかな水辺が広がる志木エリア。カッパの町としても有名。

志木エリアには、清らかな水辺で散策やウォーキングを楽しめるスポットが数多くあります。都心に近い場所でありながら、都会ではなかなか味わうことができないゆったりした時間の流れを感じることができる街です。

また、志木は「カッパ」でも有名な街です。市内にはカッパにまつわる伝説がいくつかあり、街のあちこちにカッパ像があるなど、カッパを通じた街づくりも行われています。

水不足解消を救った「野火止用水」。紆余曲折を経て志木の有名スポットに

野火止用水は、東京都立川市の玉川上水から埼玉県志木市の新河岸川に続く用水路で、江戸時代に開削されました。

当時江戸では、人口増加に伴う水不足が深刻な問題となっていました。そこで、水不足を解消するために造られたのが玉川上水で、野火止用水はその玉川上水からの分水路として作られたものです。

昭和に入り宅地化が進むと、野火止用水には生活排水の流入が進み、水質汚染の問題が発生しました。その結果、1973年に玉川上水からの取水を停止。野火止用水は暗渠化されてしまいます。

その後、野火止用水を復活させるため、埼玉県と新座市が「野火止用水復原対策基本計画」を策定。清流を復活させようという多くの人々の尽力もあって、野火止用水は復活しました。今では清らかな水が流れ、周囲の樹木と調和して、四季折々の自然が感じられるようになっています。水辺の散策コースは地元の人に愛される人気のスポットです。

カッパが存在した!?数多く残るカッパ伝説

志木市はカッパと非常に関係の深い町で、「カッパ伝説」が数多く残されています。

「宝憧寺のカッパ伝説」は、柳田国男の『山島民譚集』にも記されている、志木のカッパ伝説の中でもとりわけ有名な話です。とある雨の日、馬がずっと鳴き続けているのを不審に思ったお地蔵さんが外へ出て鳴き声の聴こえるほうへ向かってみると、泥にはまった馬を見つけました。よく見ると、馬のそばには人間でいうと5歳ぐらいの小さなカッパがいて、馬の尻尾を手に巻きつけ一生懸命馬を引っ張っています。

お地蔵さんは、カッパが馬を川に引きずり込もうとしていることに気づき、カッパを大声で叱りつけました。するとカッパは馬を離し、お詫びの言葉を並べて許しを乞いました。お地蔵さんがカッパを叱りつつカッパに仏の教えを説くと涙を浮かべ反省。その日以来、宝憧寺には鯉や鮒、なまずなどが届けられるようになりました。それはおそらく、あの時お地蔵さんに叱られ改心したカッパが届けたものだろうと言い伝えられています。

カッパ伝説の舞台となった宝憧寺には、この伝説にちなんでカッパ像が飾られています。また宝憧寺以外にも、志木市には全部で24体のカッパ像があちこちに置かれています。

市民の憩いの場「いろは親水公園」。自然との触れ合いが楽しめる。

「いろは親水公園」は、野鳥観察壁がある「中洲」の他、「神社下」「三日月湖」「さくらのこみち」「河川」の5つのゾーンで構成される公園で、子供から大人まで楽しめる志木市民の憩いの場として親しまれています。総面積約60,000m2という非常に大きな公園で、子供が遊べるブランコやクライミング、ロープスライダーなどの遊具が多数設置されています。

また、この地域には珍しい湧水や野鳥観察壁もあり、自然と触れ合える公園としても人気です。公園は新河岸川の両岸に渡っており、春になると川沿いに美しい桜が咲き誇ります。

水と自然とカッパ伝説の街、志木へプチトリップ

きれいな水辺が広がる志木エリアでは、至る所で清らかな水の流れを感じることができます。江戸時代から続く野火止用水やいろは親水公園は自然にあふれ、季節によって異なる景色が楽しめます。

そんな景色を探しに、ふらりと志木の街を歩きに出かけてみてはいかがでしょうか。あなたが歩くその道の途中で、思わずかわいいカッパ像に出会う。そんな偶然を味わうこともできるかもしれません。

※2019年12月現在の情報です