下町情緒が漂う亀戸エリアで自由気ままに歩き旅

ディープな個性が魅力的!

江東区の北部に位置する亀戸。江戸時代には江戸っ子たちの行楽地として活気を見せていたといいます。明治、大正を経て昭和の高度経済成長期には、日本の発展を支えた工場がひしめき合うように。さらに、時代の流れとともに工場が学校や公園、住宅地へと変わり、今の亀戸の街が出来上がっていきました。

時代に合わせて様子を変えてきた亀戸ですが、江戸の歴史を感じさせる史跡や下町の風情が残る路地、労働者が愛したB級グルメが味わえる繫華街も残り、ディープで個性あふれる雰囲気を醸し出しています。

季節の花が咲き乱れる下町屈指の花の名所・亀戸天神社

学問の神・菅原道真を祀る神社として有名な「亀戸天神社」。350年以上に渡り下町の庶民から信仰を集めてきました。

毎年、受験の時期には合格祈願に多くの人が参拝しますが、亀戸天神には「花の天神様」というもう一つの顔があります。天満宮にはつきものの梅や天神様が愛した菊が見ごろの時期にはお祭りが催され、毎年大きな賑わいを見せます。

中でも一番の盛り上がりを見せるのは、4月下旬から5月上旬まで開かれる「藤まつり」です。亀戸天神の藤は江戸時代から「亀戸の五尺藤」や「亀戸の藤浪」の愛称で親しまれ、その花房が江戸っ子に初夏の訪れを告げてきました。今でもお祭りの期間には、薄紫に染まる可憐な姿とほのかに甘い香りで訪れる人たちを楽しませます。夜間にはライトアップが行なわれ、夜闇に浮かんだ藤の幻想的な光景が臨めます。さらに、境内からは東京スカイツリー®も見え、藤の花との競演というここでしか見られない特別な景色を見せてくれます。

境内の散策でちょっと疲れたら、下町ならではの甘いものでひと息つきましょう。亀戸天神社の隣にある「船橋屋」では、材料や作り方にこだわった「元祖くず餅」が味わえます。柔らかくも弾力のあるお餅に濃厚な黒みつと香ばしいきな粉がふんだんにかかっていて、一度食べたらやみつきになりそうな逸品です。くず餅の他にあんみつやアイス最中もありますので、ご家族やご友人とシェアして味わうのもいいでしょう。

必勝祈願も亀戸で! 「亀戸香取神社」で勝利を掴め!

亀戸香取神社は、平将門の乱を治めた俵藤太が戦勝祈願に参拝した言い伝えから「武運長久の神」として信仰を集め、今日では有名アスリートたちが必勝祈願に参拝する神社として知られています。ゴールデンウィークの期間には「古武道奉納演武大会」や俵藤太の「勝矢」の故事にちなんだ「勝矢祭」が開催され、力強い勝鬨が響き渡ります。もちろん、スポーツだけでなくあらゆる勝運も期待できる神社です。

「亀戸香取神社」の参道には江東区で最も古い歴史を持つ「亀戸勝運商店街」があります。入口に立つとそれまでの亀戸の雰囲気と違う、まるで映画のセットのような景観が広がります。一時はシャッター街のような状態に近かったそうですが、2011年にリニューアル。昭和30年代をテーマに、大正から昭和にかけて東京で流行した「看板建築」が目を引くレトロな観光地へと変わりました。夕暮れ時にはアンティークなデザインの街路灯に灯りがつき、ノスタルジックな雰囲気を盛り上げてくれます。大道芸人たちが通りを練り歩き、訪れた人たちに自慢の芸を披露するイベントが期間限定で開催されるなど、古き良き商店街が多い亀戸の中でも特に個性的でにぎやかな通りです。

気軽に行けるからこそ、寄り道ずにはいられない!

昔懐かしい商店街から聞こえる活気に満ちた声、歴史のある寺社の荘厳な佇まい。亀戸には東京下町の情緒がたっぷりつまっています。駅の大通りからのびる小道をちょっと覗くだけでも、タイムスリップしたような感覚を味わえる町です。

歩くたびに新しい魅力を見つけられる亀戸。一度だけではなくぜひ何度でも足を運び、下町ならではの風景を楽しんでください。

※2019年11月現在の情報です