花咲き乱れる権現堂堤から貴重な動植物の宝庫・渡良瀬遊水地へ。水の恵みがもたらした自然を味わう旅。

関東を潤す雄大な流れを感じながら、ゆったりとした休日を過ごしませんか?

東武鉄道の春日部駅から静和駅に至る区間は、利根川・江戸川・荒川と関東を代表する河川に囲まれた、水の豊かな土地です。沿線には春日部の「首都圏外郭放水路」をはじめ、幸手市の「権現堂堤」、栃木県と茨城県にまたがる「渡良瀬遊水地」など、日本の治水事業の歴史を語る上で欠かせない、そして観光面でも人気のスポットがたくさんあります。

ここでは、そんな春日部~静和エリアの人気スポットを紹介します。

すべてがフォトスポット。花の楽園「幸手権現堂堤」

日光街道の宿場町、そして舟運の要衝として栄えてきた幸手市。ここには、河川の氾濫から人々を守ってきた「幸手権現堂堤」があります。江戸時代以前から築かれ、土手には堤を強化するために桜が植えられました。多い時には約3000本もの桜が植えられていたと言います。明治時代には明治天皇が東北行幸の折に訪れ、それ以来、行幸(みゆき)堤とも呼ばれるようになりました。

春になると、堤の上はやわらかな日差しが差し込む桜のトンネルへと変わります。桜並木は約1kmにわたって続いていて、のんびりとしたお花見散歩を満喫できます。川沿いに植えられた菜の花とのコントラストも見事で、シーズンにはカメラを片手に散策する人で賑わいます。また、日が落ちると付近がライトアップされ、幻想的な夜桜を楽しむこともできます。毎年、開花時期に合わせて開催される「さくらまつり」では100軒もの出店が立ち並び、マラソン大会や俳句コンクールなどのイベントも行われるなど、大きな賑わいを見せます。

権現堂堤の見頃は、桜や菜の花の季節だけではありません。夏はアジサイ、秋は彼岸花、冬は水仙など、いろいろな花が植えられています。季節ごとに見ごろを迎える花々を楽しめるのも魅力の一つです。

隣接する行幸湖ではカヌークラブの練習や釣りを楽しむ人の姿も見られ、ゆったりとした時間が流れています。また市内の日光街道に目を向けると、かつての宿場町の繁栄を思わせる史跡が数多く残っています。街道沿いの歴史の面影を感じながら堤へと足を運ぶのもいいかもしれません。

広大な自然と希少な動植物の宝庫「渡良瀬遊水地」

渡良瀬遊水地は、明治時代に起きた足尾鉱毒事件による鉱毒被害を食い止めるために作られました。現在は、治水・貯水の目的で活躍していますが、一方では珍しい野鳥や昆虫などが生息する貴重な湿地としても知られ、2012年にはラムサール条約の登録湿地に選ばれるなど、今も豊かな自然が息づいています。

渡良瀬遊水地の広さは、なんと東京ドーム700個分。訪ねる人々は、ジョギングやサイクリングなどのロードスポーツを楽しんだり、お弁当を広げてピクニックをしたりと、思い思いに休日を楽しんでいます。ハート型の谷中湖ではカヌーやボートを満喫している人の姿も見られますし、電線がほとんどないため、熱気球やパラシュートといったスカイスポーツを体験しにやって来る人もいます。敷地内には車が入れないので、小さなお子さんも安心して遊ばせることができます。

のんびりとしたひと時を過ごしたい方には、遊水地主催のバードウォッチングがおススメです。夏にはツバメの群れ、冬には絶滅危惧種のチュウヒなどを見ることができます。鳥好きの人はもちろん、定期的にフォトコンテストも開催していますので、写真が趣味の方にもぴったりです。

ぽかぽか陽気に誘われて、天気の良い日は電車の旅で心豊かに

東武鉄道の春日部~静和エリアには、水の豊かな恵みを感じさせてくれるスポットや、歴史に想いを馳せることができる名所、季節の移ろいを感じながら散策できるスポットなど、見どころがたっぷりあります。

ちょっと遠出をしたい時、自然に触れたくなった時、電車に乗ってふらりと出かけてみませんか?

※2019年12月現在の情報です