岩畳と木々のコントラストに癒される嵐山渓谷の自然美

埼玉を代表する渓谷。その名のルーツは京都嵐山にあり

嵐山渓谷は埼玉を代表する景勝地の一つ。岩畳と槻川の清流、周囲の木々が織り成す見事な景観が特徴です。

嵐山という名前は、日本で最初の林学博士、本多静六氏が名付けました。渓谷の最下流部にある槻川橋から渓谷の紅葉や赤松林の景観を眺め、その景観が京都の嵐山によく似ていたことから、「武蔵国の嵐山」とたとえたのが由来とされます。以降、この地の評判はまたたく間に広まり、多くの観光客が訪れて賑わいました。戦後、一時観光客が減った時期もありましたが、時代とともに訪れる人が再び増え、過去の賑わいを取り戻しています。

嵐山渓谷は、春には桜の咲く渓谷、初夏には新緑と槻川の景観、夏は槻川での水遊びと、四季折々様々な表情を見せてくれます。どの季節の景観も素晴らしく、何度訪れても新しい感動が感じられます。

「冠水橋」など嵐山渓谷沿いの見どころ

嵐山渓谷沿いには多くのおすすめスポットや名所がありますが、特に有名なのは「冠水橋」です。このあたりでは珍しいコンクリートの沈下橋で、昭和初期にはこの冠水橋の上流で水をせき止め、池のようにして景観を楽しんだと言います。とりわけ秋の季節、この冠水橋と紅葉を共に眺める景色は格別です。

渓谷を見下ろす場所には展望台があります。昭和初期、多くの観光客で賑わっていた頃、ここには「松月楼」という料亭旅館がありました。その跡地には展望台が建てられました。在りし日の松月楼の賑わいに思いを馳せながら渓谷を眺めるのもいいでしょう。

この展望台からもう少し先に、与謝野晶子の歌碑があります。晶子は娘と共に嵐山渓谷を訪れ、渓谷の自然に感動し「比企の渓」29首もの短歌を詠みました。これだけの短歌を詠まずにはいられないほど、嵐山渓谷の素晴らしい自然は晶子に感銘を与えたのでしょう。

これらの名所はすべて歩いて辿れる距離ですので、ハイキング気分でぜひ訪ねてみてください。木漏れ日を感じながらの嵐山渓谷周辺の探索は、旅の想い出として心に深く残るはずです。

絶景を楽しみながらのバーベキューも人気

赤松林の美しい景観と静かで落ち着いた雰囲気が魅力の嵐山渓谷ですが、同時に埼玉県有数のバーベキュースポットでもあります。槻川のほとりでは、季節の良い時期には多くの人が集まりバーベキューを楽しんでいます。「嵐山渓谷バーベキュー場」はバーベキュー場の人気ランキングで常に上位に輝くほどの人気ぶりです。

嵐山渓谷バーベキュー場の魅力は、やはり何と言っても美しい渓谷の景観です。木々のざわめきや水の流れをBGMに、自然を体いっぱいに感じながらバーベキューを楽しむことができます。バーベキュー機材や食材を持ち込めば施設は無料で利用できるのもうれしい点。スーパーも近くにありますので、食材を買いに行くのにも便利な立地です。

また、機材や食材を持っていない人でも機材をレンタルしたり食材を購入したりできるので(要予約)、誰でも手軽に楽しめます。さらに、嵐山渓谷バーベキュー場のお店ではご当地グルメ「嵐山辛モツ焼そば」も買うことができます。バーベキューと一緒に楽しみたい地元ならではの味の一つです。

嵐山渓谷バーベキュー場

URL https://www.ranzan-kanko.jp/bbq

近くにはラベンダー園も。それぞれの楽しみ方で味わう嵐山の自然

木々の色づきを楽しみながらカメラ片手に散策したり、渓谷沿いのバーベキュー場で美味しいお肉を食べたり、埼玉県を代表する景勝地、嵐山渓谷の過ごし方、楽しみ方はそれぞれ。渓谷沿いの道を歩けばちょっとしたハイキング気分も味わえ、心も体もリフレッシュできるはずです。

また、渓谷やキャンプ場から1kmほどの場所にある「千年の苑ラベンダー園」もオススメです。6月から7月にかけて広大な敷地に約5万株のラベンダーが咲き誇り、渓谷とは一味違う自然の美しさを体感できます。

石畳と木々のコントラストが美しい嵐山渓谷で、そしてラベンダー園で、それぞれの好みに合った楽しみ方で、嵐山の自然を味わってください。

※2019年9月現在の情報です