駅を降りればふわりと漂う、醤油の香りに誘われて 野田界隈醤油グルメ探し
16世紀から醬油の町として発展
この地の醬油づくりの歴史は、1558年頃(永禄年間)、飯田市郎兵衛がたまり醤油をつくったことが始まりとされています。1661年(寛文2)には髙梨兵左衛門が醬油醸造を開始し、18世紀には飛躍的に拡大。近隣の利根川・江戸川から舟で輸送し、江戸市中の醬油の需要をまかなうようになりました。以来、現在に至るまで、野田には醬油工場が点在し、地元の醬油を使ったグルメもたくさんあります。
醬油の町には個性派グルメがいっぱい!

野田市駅の隣には大きな醬油工場があり、野田醬油の歴史を学べる博物館「もの知りしょうゆ館」もあるなど、文化として醬油がこの街に根付いていることがわかります。グルメでも、野田醬油を使ったメニューも多く、イタリアンに忍ばせて味に深みを出したり、変わり種のスイーツにも変身したものも! バラエティ豊かな醬油メニューと出合えます。
大宮からも柏からも好アクセス!
醬油の街・野田(野田市駅)へ行くなら、東武アーバンパークラインで。埼玉県側の大宮駅からは急行で約40分、千葉県側の柏駅からは急行で約17分とアクセスの良いエリアです。また野田市駅の両隣の愛宕駅や梅里駅にも野田醬油の文化やグルメを堪能できるスポットがあります。
【野田市駅】野田醬油を使ったイタリアンを堪能「コメ・スタ野田市本店」
1992年創業のイタリアンレストラン「コメ・スタ」。気取らない雰囲気と、野田市をはじめ、千葉県産の野菜をふんだんに使ったメニューが人気で、休日には県外からも訪れる人が多いそう。店内のまき窯で焼かれるピザで人気なのは、ずばり「野田市のピッツァ」。牛と鶏のひき肉を「キッコーマン」の醬油もろみで甘辛く味付け。たっぷり乗った白髪ネギとの相性もバッチリです。パリッと焼かれた生地も香ばしく、ついつい手が進んでしまいます。
※年末年始大型連休は変更する場合があります。
【梅郷駅】お土産にピッタリ!醬油風味のロールケーキ「サラダ館 野田花井店」
「地元のならではのお土産がほしい」という声を生かし、もともと千葉県木更津市の「海ほたる」で発売されていた千葉土産のケーキをリニューアル。「下総野田 醬油の里 しょうゆスイーツロールケーキ」は、野田市内にある醬油メーカー4社の醬油をブレンドし、生地に練り込んでいます。試行錯誤を経てたどり着いた味は、ほんのりと醬油のうま味が感じられる生地にクリームの相性がよく、口当たりも軽い。癖になるおいしさで、人気商品となっています。そんな「下総野田 醬油の里 しょうゆスイーツロールケーキ」は、野田市内でお土産物などを扱う「下総野田 醬油の里・サラダ館 野田花井店」で手に入ります。
【愛宕駅】豊かな醬油の風味を感じる羊羹「御菓子司 喜久屋」
創業65年以上の和菓子店「喜久屋」の2代目店主が考案した「醬油羊羹 御用蔵」は、ほんのり赤みのあるべっこう色が美しい羊羹。甘さの奥に豊かな醬油の風味をふわっと感じる味わいです。この味を作るため、全国から醬油を取り寄せて試行錯誤を繰り返した末、地元・野田市のキッコーマン「御用蔵」の醬油がぴったりだったそう。構想6年を経て、1989年に発売されました。機械ではなく、じっくりと手煉りで作られていて、舌触りもなめらかです。
※価格は取材時のものです。
【番外編・野田市駅】醬油の町を守るサクラが美しい氏神様「櫻木神社」
醤油グルメ以外に、せっかく野田に訪れたなら立ち寄って欲しいスポットが、野田市駅最寄りの「櫻木神社」です。
藤原鎌足の子孫・冬嗣の三男・嗣良が、この地に居を移したとき、桜の大木のもとにウカノミタマノミコトとタケミカヅチノミコトを祀ったことに始まる神社(諸説あり)。野田市最古の社で、およそ1万坪(東京ドームの半分)の敷地は深い森に囲まれています。境内には真夏を除き、30種・約400本のサクラが咲き誇り、毎年3月9日〜29日には限定の御朱印が授与されます。地元の人々に愛され、醬油メーカーからも崇敬を集める神社です。境内にある参拝者用トイレ「KAWAYAホール」には、東武鉄道車両の60000系を模した子ども用トイレがあり、子どもからも好評です。
隠れた醬油グルメを探してみよう!
野田市駅や近隣の各駅は、駅周辺から住宅が連なる静かな街。飲食店や商店で「野田の醬油」と書かれたメニューや商品をよく見かけます。一口に「醬油」といっても味わいはさまざま。同じ野田でつくられた醬油でもそれぞれ個性が際立つものです。ぜひ野田市周辺のエリアを訪れて、お気に入りの「醬油グルメ」を見つけてみてください。
※2025年3月時点の情報です。